使用を予定している電線の長さと断面積、及び送出する電流値が分かっていれば、何Vの電圧降下が起こるのか、以下の計算式で簡単に計算する事ができます。
E:このケーブルで発生する電圧降下(V)
L:電線の長さ(m)
I:電流(A)
S:電線の断面積(sq)
例えば、
1)ケーブル:AWG16で距離10m、送出電流:0.5Aの場合
E=(35.6 X 10 X 0.5)/(1000 X 1.25)=0.1424(V)
2)ケーブル:2sqで15m、送出電流:1.2Aの場合
E=(35.6 X 15 X 1.2)/(1000 X 2)=0.3204(V)
この計算式を使って、使用するケーブルの選定をする場合を考えてみましょう。
与えられる条件は以下のとおりです。
・送出側電流電圧:+24.0V、2.0A
・ケーブル長:12m
・被供給機器の電源電圧規定:+23.0±1.0V
この時、考慮すべき事は、「被供給機器に何Vの電力を送り届けるか?」です。
機器の規定で、最低でも+23.0Vの電圧が必要な事がわかります。
ここで、出力側の電圧は+24.0Vなので、ケーブルでの電圧降下が1.0V以下であればOKとなります。
まず、1.25sqを使った場合の電圧降下を求めます。
E(1.25)=(35.6 X 12 X 2)/(1000 X 1.25)=0.684(V)
次に、1sqの場合
E(1.0)=(35.6 X 10 X 0.5)/(1000 X 1)=0.854(V)
更に、0.75sqの場合
E(0.75)=(35.6 X 10 X 0.5)/(1000 X 0.75)=1.139(V)
この結果から、0.75sqの場合は電圧降下の値が1.0Vを超えるため使えず、1.0sq、もしくは1.25sqを使うのが妥当(マージンを考えると1.25sqの方が良い)である事がわかります。
実際は、ケーブルの抵抗値は温度で変わりますし、突入電流の大きい機器を使う場合は、更に大きなマージンを取る必要がありますので、基本的な考え方として参考にしてください。