電気信号は基本的に、その電圧を信号要素として送信します。
電気信号には単相信号と差動信号があります。
ノイズへの耐性が求められる場合、差動信号が良く使われます。
何故、差動信号はノイズに強いのでしょう?
差動信号の場合、送信側で1つの信号をP相とS相に分けます。
このとき、S相はP相の位相を反転させた信号になっています。
ここで受信側は、受け取った二本1ペアの信号を元の信号(単相)に戻しますが、このとき(P) – (S)の計算をして、単相に戻します。
次に、信号の伝送ラインが通る場所の近くにノイズの発生源があり、伝送信号にこのノイズが乗ってくる場合を考えます。
P相、S相、それぞれに同じ形、同じ位相のノイズが乗ってしまいます。
しかし、受信側で単相信号に戻すとき、(P) – (S)の計算をしますので、同形同相の信号(この場合はノイズ)は消えてしまいます。
これが、差動信号がノイズに強い理由です。
なお、(P) – (S)の計算でノイズを消すためには、それぞれの相に乗るノイズが、極力同形同相である必要があります。
そのため、P相、S相の伝送ラインは極力同じ場所を通す必要があります(多くの場合、ツイストペアとされます)。
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